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すやすやと規則正しい寝息を漏らすカイルの頭に
ロニはその大きなてのひらを乗せる。
起こさない様に…とは言っても
寝たら中々起きないカイルだから起きることは
まずないだろうけれど…。
優しくぽんぽんと叩いて、撫でて。
先程まで口ずさんでいた子守唄は
ふっと闇夜に消えていった。
『ろにの歌声、好きだよ!』
そう言って照れたように笑って
瞳を輝かせて…寝間着の裾をぐいぐいと
ひっぱってくるカイルに負けて
子守唄を歌ってやる日が続いて。
『ろにの手も好き。おっきくて、温かくて、
父さんみたいなんだ!』
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無邪気なカイルの言葉に、胸が軋んだ。
それを隠すかのように
『そうか。ならお前が寝るまでずっとこうしててやるよ。』
はぐらかしてその小さな愛しい頭を撫でてやる。
嬉しそうに幸せそうに笑う、自分の大好きなカイルの笑顔が、その時だけは辛いと思った。
「父さん…」
夢は、心の奥底で求めるものを映しだすと、いつだったか聞いたコトがあった気がした。
カイルの夢に『スタンさん』はどううつっているのだろうか?
「ろに〜…」
ぴくりと…指先が震えた。
涙が出そうになる。
カイルの夢の中に、いつまで俺はでられるのだろうか?
俺の夢が、悪夢に変わる日はいつくるのだろうか?
「ずっと…一緒…。」
呟かれた寝言は、つきんと…俺の胸に小さな棘を残した。
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(イラスト>七尾ルッカさん 駄文>まこりん)
幸せそうなイラストになんてとんでもない
切ないミニssをつけてしまったのでしょうか…(汗)
七尾さんのファンの皆様、苦情受けつけますので
苦情はメールで…(汗)
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